不動産所得と雑所得は持続化給付金の対象外に
※2020年6月29日:「主たる収入を雑所得・給与所得で確定申告した個人事業者」と「2020年新規創業者」の方が新たに申請可能となりました。従前の要件で諦めていた方は、今一度申請が出来ないかどうかご確認下さい!
※2020年5月22日:梶山弘志経済産業相は22日の記者会見にて、一定の要件を元に、雑所得も対象とする等の方向に舵を切りました!続報が入りましたら、ブログにて紹介します。これより以下の文章は5月9日時点の内容となります。
みなさん、こんにちは!
大阪府吹田市で近藤会計事務所を運営している近藤です。
公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー・認定経営革新等支援機関の資格等を元に日々奮闘しています。
何とも、悲しい結論ではありますが、不動産所得と雑所得は持続化給付金の対象外。と経済産業省の持続化給付金に関するよくあるお問合せで明記されました。
不動産所得については、事業的規模なら持続化給付金の対象となる!といった記事がネットやSNSで散見されていましたが、5/8の執筆時点では事業的規模でも不動産所得なので駄目ですよ!
ただ、不動産所得にしても、雑所得にしても個人的に思うところがあるので、今回はそんな話もしていきたいと思います。
持続化給付金の概要
そもそも、持続化給付金ってなんぞや??という方もいらっしゃるかも知れませんので、簡潔に持続化給付金を説明すると以下の内容となっています。
新型コロナウイルスの影響を受けている中小法人等や個人事業主等にとっては、とても助かる制度となっています。
少なからず事業者等は影響を受けているはずです。事業継続のために支給してくれる給付金があるなら当然頂きたいですよね。
そこにきて、あくまで確定申告書の”事業所得”の収入金額等の欄に金額が入っているかという所に形式的に着目される事が明示された形です。
持続化給付金と不動産所得
不動産所得は以下の国税庁のタックスアンサーにあるように
不動産などの貸付けによる所得は、不動産所得になります。
という見解を示しています。
タックスアンサーの記述では、まず、不動産などの貸付による所得は、不動産所得である。と明記した上で
事業云々の話につながっています。
そして、不動産所得の中にも”事業”として行われる場合がある。と言っているんです。
”事業”の継続を支える持続化給付金の目的からすると、なんかおかしな話だと思いません?
経済産業省は
『国税庁の見解で”事業”として行われているものと判断されても
不動産所得は除外したので今回の持続化給付金の対象とはなりません。』
って言ってるように感じるんですよね。
持続化給付金の目的は”事業”の継続なんですよね??
私も不動産所得があります。なので、今回の決定は残念でした。
以前の記事で不動産投資(中古マンションの1室)をしている事を書きました。(興味がおありの方は以下のリンクも覗いてみてください。)
→GA technologiesの評判 税理士の不動産投資初体験記①(全4回)
また、上記とは別にもう1つ考えて欲しいと思う事があります。
持続化給付金の目的が事業の継続を支える事だとするならば、テナント(店舗)に貸している場合の不動産所得はどうなんだ?という事です。
- 借主(事業者)の売上激減→家賃交渉→貸主が家賃を半額にした
貸主が借主の事業継続を支えるために、国の代わりに給付金をあげたようなもんじゃないか、と。
国としては借主に持続化給付金をあげているから、貸主が勝手に家賃減額しただけでしょ!
と言われればそうかもしれませんが、悶々とするんですよね。。
持続化給付金と雑所得
次は雑所得に関して私が思う所です。
ネットやSNSを見ていると
確定申告書の書き方が良くわからない方や、税理士や税務署に言われたから、雑所得に記入していた。
という方がいるようです。
実質は事業所得に該当するもので、過去に雑所得として記入していたこと自体が誤りだった場合ですよね。
誤って申告した者が悪いと言ってしまえば、そうかもしれないですが個人的には悶々とします。
もし、上記のような方がいらっしゃるのであれば、以下の方法を検討してみてはいかがでしょうか?
- 経済産業省へ問い合わせを行う。
- 待てるなら、経済産業省から何らかの見解で出るのを待つ。
- 修正申告を行い(要件満たす場合)、修正後に申請を行う。
- とりあえず雑所得のまま申請を行ってみて経済産業省の対応を待つ。
3と4の方法については、私では判断出来ない(責任をとれない)ような種々のリスクを負う可能性があるので、十分に検討し、かつご自身の責任でお願いいたします。
まとめ
今回の記事では、持続化給付金と不動産所得と雑所得の関係について、思う所を述べさせていただきました。
5/8の執筆時点においては
不動産所得と雑所得は持続化給付金の対象外
という事になっていると理解していただければと思います。
今後、経済産業省から新たなコメント等も出てくるかと思いますので、情報をキャッチアップしてお届けするように致します。
投稿者プロフィール
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近藤会計事務所の所長をしています。
大手監査法人での経験を生かして、質の高い税務・会計・経営分析情報の提供を誰もが納得出来る形で説明するように心がけています。
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