振替納税手続で所得税の支払いを遅らせる方法

振替納税手続

みなさん、こんにちは!

大阪府吹田市で会計事務所を運営している、近藤会計事務所の近藤です。

公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナーの資格を元に日々奮闘しています。

さて、所得税等の支払いを遅らせる事の出来る振替納税という手続をご存知でしょうか。

副業やフリーランスの方で収入が一定以上の方は、確定申告を行い税金を納めなければなりません。

また、不動産を売却して利益が出ている方も同様に確定申告を行い税金を納めなければなりません。

ついつい、確定申告を忘れてしまっていて慌てている方もいる事でしょう。

所得税の支払期限は3月15日まで(その年の確定申告期限日まで)となっています。

今からだと支払うべき所得税を捻出出来ない!

特に、不動産や株式等を売却して多額の利益が出ている方は要注意です。納めるべき所得税も相当の金額になります。

そんな方に利用していただきたい手続が、”振替納税手続”です。

早速、振替納税手続のメリットから紹介させていただきますね。

振替納税手続の3つのメリット

振替納税手続のメリットについては、大きく3つあります。

利用手数料なし

  1. 所得税等の支払期限を延ばす事が出来る
  2. 所得税等の支払いに税務署に赴くといった手間がなくなる
  3. 所得税等の支払忘れを防ぐことが出来る

ついつい、仕事やプライベートが忙しくて、確定申告を忘れてしまっている方で、確定申告の申告期限(所得税の納付期限)である3月15日までに所得税等を払う余裕がない!

という方は振替納税手続を利用して、所得税等の支払いを遅らせましょう。

振替納税手続を利用すれば約一か月支払いを遅らせる事が出来ます。

平成30年分の確定申告(申告期限:平成31年3月15日)で、支払うべき所得税等は平成31年4月22日まで支払いを遅らせる事が出来ます。

また、日中に行動の制限がかかる忙しいビジネスマンの方などは、税務署や金融機関に行く手間が無くなる事やうっかり税金の支払い忘れを防ぐ事が出来るといったメリットがあります!

上記メリットの他にも、一度振替納税手続を行えば、面倒な更新作業などはなく、継続して利用出来る事も嬉しいですね。

振替納税手続のメリットは理解していただけましたでしょうか。

次は、振替納税手続が適用できる税金についてチェックしましょう。

振替納税手続は所得税だけでなく消費税にも対応

振替納税手続によって所得税の支払時期を遅らせる事が大きなメリットとなりますが、振替納税手続は所得税だけではく、消費税についても対応しています。

振替納税手続が対応する具体的な税金は以下の通りです。

税金の種類
  1. 申告所得税及び復興特別消費税
    ☆期限内に申告された確定申告分及び延納分
    ☆予定納税分
  2. 消費税及び地方消費税
    ☆期限内に申告された確定申告分及び中間申告分

なお、利用可能額や利用可能時間に制限はありません。

ただし、インターネット銀行等の一部の金融機関については利用できない場合があります。

現状では基本的にネット銀行は対応していません。

自分と取引のある金融機関が、振替納税手続に対応しているかどうかを調べるには、取引のある金融機関に問い合わせる事が一番確実ではないでしょうか。

振替納税手続の2つ注意点

振替納税手続の主な注意点も2点ほど紹介したいと思います。

  1. 領収証書が発行されません。
  2. 引っ越しなどで、管轄の税務署が変更となった場合は、再度振替依頼書を提出する必要があります。

領収証書については、平成29年1月以降から発行されなくなりました。

経費削減のためだそうです。

2つ目で紹介している引っ越しの話は、要注意です。

引っ越しのバタバタで、再度振替依頼書を提出するのをうっかり忘れてしまうと、時間が過ぎて、延滞税を支払う事になります。

長期間忘れると納税額の10%程度を追加で支払わなければならない可能性もあるので注意しましょう。

メリットや注意点を把握出来た所で

振替納税手続を利用したいと思った方。

以下で振替納税手続の方法を紹介します。

振替納税手続の方法

振替納税手続は、振替依頼書(預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書)を作成し、納税地を所轄する税務署又は振替依頼書に記載した金融機関へ提出すれば完了です。

振替依頼書は最新のものを国税庁のHPから取得するようにしましょう。

以下の国税庁HPのリンクからは振替依頼書と共に、振替依頼書の記載例も合わせて入手する事が出来ます。

→国税庁HP_[手続名] 申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替納税手続による納付

国税庁HPのリンクから振替依頼書を入手し、記載例を見ながら作成を完了させれば、いよいよ振替依頼書の提出です。

提出先は納税地を所轄する税務署又は振替依頼書に記載した金融機関になるのですが、提出方法は以下の2パターンがあります。

  1. 直接現地に赴き提出
  2. 郵送で提出

郵送する場合は、振替依頼書原本だけではなく、返信用封筒(切手貼付)と振替依頼書控えも合わせて郵送しましょう。

提出した証拠は残しておかないと、提出した、していないといった無駄な議論に時間を取られてしまいます。

ごくたまに、そういった話も周りから聞くので注意しておきたいですね。

なお、提出期限内であれば、確定申告書を提出した後に、振替依頼書を提出しても有効となります。

振替依頼書の提出期限

振替依頼書の提出期限は所得税等の納付期限までとなっています。

平成30年分の確定申告(申告期限:平成31年3月15日)分であれば、申告期限(納付期限)である平成31年3月15日が振替依頼書の提出期限という事になります。

また、郵送の場合は消印有効という形になります。

振替納税手続 まとめ

ここまで振替納税手続の紹介をしてきました。

振替納税手続のメリットは何と言っても

所得税等の支払タイミングを遅らせる事が出来る

という事でしょう。

その他にも以下のメリットがあります。

  • 所得税等の支払いに税務署に赴くといった手間がなくなる
  • 所得税等の支払い忘れを防ぐことが出来る
  • 初回の振替納税手続を申し込めば、面倒な更新作業などはなく、継続して利用出来る

振替納税手続の手数料は無料ですので、振替納税手続を利用してみてはいかがでしょうか。

以下のリンクから、振替依頼書を入手出来ます。

→国税庁HP_[手続名] 申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替納税手続による納付




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